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野球で肩を強くする方法|遠投だけじゃないスローイング強化術5選と段階的プログラム

2026.02.19
野球で肩を強くする方法|遠投だけじゃないスローイング強化術5選と段階的プログラム

野球で肩を強くするための方法を科学的に解説。遠投だけに頼らない、肩甲骨・体幹・下半身を連動させたスローイング強化法5選と4週間段階的プログラムを紹介します。

📌 この記事の結論

「肩が強い」=「腕の筋力が強い」ではありません。ASMI(アメリカスポーツ医学研究所)の研究によると、送球のパワーの約60%は下半身と体幹から生み出されています。つまり、肩を強くしたいなら全身の力を効率よく腕に集約するスローイング技術を磨くことが最も効果的です。本記事では、遠投に頼らない5つの強化法と安全な段階的プログラムを科学的に解説します。

「肩が弱い」の本当の原因

「肩が弱くて外野からホームに送球が届かない」「内野から1塁への送球が遅い」——肩の強さに悩む選手は、とにかく遠投を繰り返しがちです。

しかし、遠投だけでは肩は強くなりません。むしろ、間違ったフォームでの遠投は肩を故障させるリスクがあります。

送球パワーの内訳

🔬 送球のエネルギー源(ASMI研究データ)

35%
下半身(踏み込み・回転)
25%
体幹(回旋力)
40%
肩・腕(リリース)
※ 腕のパワー(40%)も、下半身と体幹からのエネルギー伝達効率に大きく依存。結果的に「腕力」だけでは全体の20%程度しか影響しない

「肩が弱い」3つの原因パターン

原因症状改善アプローチ該当する強化法
肩甲骨が固い腕のしなりが足りず、ボールに力が乗らない肩甲骨可動域の拡大強化法1
下半身を使えていない手投げ(上半身だけで投げている)ステップスロー習得強化法2・4
体幹が弱い体がブレて力が逃げる回旋系トレーニング強化法3

強化法1:肩甲骨ストレッチ(柔軟性UP)

肩甲骨の可動域が広いほど、腕を大きく振れてボールにエネルギーが乗ります。プロ投手の多くが、毎日のルーティンとして肩甲骨ストレッチを行っています。

ストレッチメニュー(毎日5分)

エクササイズやり方回数
背中合わせ挙上両手を背中の後ろで組み、胸を張りながら高く上げる10秒キープ × 5回
タオルストレッチ頭上でタオルを握り、左右に引っ張りながら背中の後ろへ下ろす10往復 × 3セット
壁滑りW字壁に背を付け、肘を90°に曲げたW字で腕を上下にスライド15回 × 3セット
背中合わせタッチ片手を頭の後ろ、もう片手を腰の後ろから回して指同士をつかむ各側10秒 × 3回

目標: 手が背中で指同士つかめるようになれば、可動域は十分。毎日続けることで2-3週間で改善を実感できます。


強化法2:ステップスロー(全身の力を集約)

投球は「歩く動作の延長」です。しっかりステップしてから投げることで、下半身の力が加わり送球が格段に強くなります。

やり方

  1. 送球先に向かってクロスステップ(右投げなら右足を左足の前に出す)
  2. 体重移動のエネルギーをそのまま腕の振りに乗せる
  3. 足→腰→肩→腕の順でパワーが伝達される感覚を掴む
  4. 20球 × 3セット

距離別の目安

  • 10-15m: フォーム固め。ステップ+リリースのタイミングを意識
  • 20-30m: スピード追加。体の開きを抑えつつ力を込める
  • 30m+: 実戦距離。ステップの力だけで到達できれば合格

強化法3:ニーリングスロー(体幹の回転力強化)

膝をついた状態で投げることで、腕や下半身に頼れず、体幹の回旋力だけで投げる感覚を掴むドリルです。

やり方

  1. 片膝をついた状態で構える(投げる側の膝を立てる)
  2. グローブ側の肩を閉じた状態からスタート
  3. 体幹の回旋だけで送球する
  4. 15球 × 3セット

なぜ膝をつくと効果的か?

下半身を固定することで、体幹の回旋パワーだけが送球のエネルギー源になります。普段「腕投げ」になっている選手ほど、膝をつくと驚くほどボールが飛ばなくなります。この「差分」が、普段下半身と体幹に頼れていない、つまり改善の伸びしろです。


強化法4:ロングトス(正しいフォームでの遠投)

遠投そのものが悪いのではなく、フォームが崩れた状態での遠投が問題です。正しいアプローチで行えば遠投は非常に効果的なトレーニングです。

やり方

  1. まず20メートルの距離で、フォームを意識してキャッチボール
  2. 5メートルずつ距離を伸ばす
  3. フォームが崩れたら、それ以上距離を伸ばさない(これが最重要ルール)
  4. 「投げられる最大距離」ではなく「正しいフォームで投げられる最大距離」を測る

距離の目安

年代現在の目標距離1ヶ月後の目標注意点
小学生30m40m無理に飛ばさない、肩の痛み厳禁
中学生50m60m成長期の肩に注意
高校生以上70m80mWarm-up必須、週2-3回まで

強化法5:チューブトレーニング(インナーマッスル強化)

ゴムチューブがあれば、肩の**インナーマッスル(回旋筋腱板)**を安全に強化できます。なければタオルでの代替も可能です。

メニュー

エクササイズ動作回数目的
外旋肘90°固定で前腕を外に回す15回 × 3セット棘下筋・小円筋の強化
内旋肘90°固定で前腕を内に回す15回 × 3セット肩甲下筋の強化
サイドレイズチューブを踏み、腕を真横に上げる12回 × 3セット三角筋の安定性
フロントレイズチューブを踏み、腕を前方に上げる12回 × 3セット前方安定性

肩を壊さないための5つのルール

  • 1. 痛みがある状態で投げない(炎症を悪化させるだけ)
  • 2. ウォームアップなしで全力送球しない(短距離キャッチボールから始める)
  • 3. 1日の投球数を管理する(中学生: 70球以内、高校生: 100球以内が目安)
  • 4. 週に1-2日は投げない日を作る(回復時間の確保)
  • 5. 違和感を感じたら即中止(「痛い」ではなく「違和感」の段階で止める)

4週間 肩強化プログラム

毎日メニュー週2-3回メニューチェック項目
Week 1肩甲骨ストレッチ5分 + チューブ外旋/内旋ニーリングスロー 15球×3背中で指が付くか?
Week 2ストレッチ5分 + チューブ全4種ステップスロー 20球×3 + ニーリング手投げになっていないか
Week 3ストレッチ5分 + チューブ全4種ロングトス(段階的に距離伸ばす)正しいフォームの最大距離
Week 4ストレッチ5分 + チューブ全4種全強化法の総合練習 + AI分析で比較Week 1とのBefore/After
📱 あなたのフォーム、AIがチェックします

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FAQ:肩を強くする方法に関するよくある質問

Q
遠投を繰り返せば肩は強くなりますか?
正しいフォームで行えば効果はあります。しかし、フォームが崩れた遠投は肩への負担が大きく故障リスクが高いです。まずは近距離で正しいフォームを固め、5mずつ距離を伸ばす段階的なアプローチが安全です。「フォームが崩れたら距離を縮める」をルールにしましょう。
Q
肩が痛い状態でもトレーニングしていい?
絶対にNGです。痛みがある場合は投球を中止し、まずは整形外科で診てもらいましょう。肩甲骨ストレッチなど痛みのない範囲のメンテナンスに切り替えてください。詳しくは野球肩・野球肘の予防法をご覧ください。
Q
筋トレで肩を鍛えれば肩は強くなりますか?
インナーマッスル(回旋筋腱板)のトレーニングは効果的ですが、アウターマッスル(ベンチプレスやショルダープレス)だけでは送球は強くなりません。送球に必要なのは「パワー」ではなく「全身の連動性」です。チューブトレーニング(強化法5)とステップスロー(強化法2)を組み合わせましょう。
Q
送球フォームが正しいか確認する方法は?
スマホで横からの送球動画を撮影し、AIスポーツトレーナーで分析すると、ステップの方向・肘の位置・体の開き・リリースポイントをAIが自動チェックします。特に「手投げ」になっている選手は、体幹の使い方の課題が動画で明確に見えます。

まとめ:肩を強くする3つの鉄則

  1. 肩甲骨の柔軟性を高めて、腕のしなりを最大化する
  2. 下半身と体幹の力をスローイングに乗せる(ステップスロー + ニーリングスロー)
  3. インナーマッスルを強化して、肩を守りながらパワーアップする

「肩が強い」=「腕の力が強い」ではありません。全身の力を正しく連動させることが、安全で強い送球の秘訣です。

📅 最終更新: 2026年2月 | 記事の内容は定期的に見直しています

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