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テニス

【完全版】スピンサーブ(キックサーブ)の打ち方|跳ねるセカンドサーブの科学

2026.02.24
【完全版】スピンサーブ(キックサーブ)の打ち方|跳ねるセカンドサーブの科学

スピンサーブ(キックサーブ)は「7時から1時」の軌道で打つ。トスの正しい位置、プロネーションの手首の動き、膝のバネを使った回転量の増やし方を解説。

🎾 この記事の要点まとめ
強烈に跳ねるセカンドサーブを生み出す3つの鍵
  • 「7時から1時」の斜め上スイング:ボールの真後ろでなく下側をこすり上げる軌道を作るため、インパクトまで身体を横に向け続ける(Stay Sideways)。
  • トスは頭の真上〜左後ろ:前すぎるとボールの上を叩いてネットミスになる。ボールの「下」に潜り込めるトス位置が絶対条件。
  • 膝のバネとプロネーション:腕の力だけでは跳ねない。深く曲げた膝を一気に伸ばす下半身のパワーと、インパクト後に手首を内側に回すプロネーションで回転量を最大化。

ファーストサーブが外れた後、「ただ入れにいくだけ」の弱気なセカンドサーブ(羽子板サーブ)を打っていませんか?それは相手にとって絶好の攻撃チャンス(餌食)です。上級者のテニスでは、スピンサーブ(キックサーブ)という、確実に入ってかつ相手を押し込める「魔法のセカンドサーブ」を使っています。ボールに強烈な縦回転をかけ、バウンド後に高く跳ねさせる科学的なメカニズムを解説します。


基礎知識:スピンサーブとキックサーブの違い

用語の整理

スピンサーブ:ボールに強烈なトップスピン(順回転)をかけたサーブの総称です。空気抵抗(マグヌス効果)により、ネットの上を安全な高さで越えた後、相手コートで急激にベースラインに向かって落ちます。

キックサーブ(ツイストサーブ):スピンサーブの一種で、回転軸がやや斜めになっているため、バウンド後に単に高く跳ねるだけでなく、「右利きの場合は左上方へキックして(曲がって逃げて)いく」変化をする球種を指します。

※本記事では、これらをまとめて修得するためのベースとなる「スピンサーブの基本動作」として解説します。


1. 軌道を作る:「7時から1時」のスイング

フラットサーブ(ボールの真後ろを叩く)やスライスサーブ(ボールの右横を切る)と全く違うのが、ラケットの「スイング軌道」です。

⏰ ボールを「時計の文字盤」に見立てる

サーブ種類接触位置とスイング軌道生み出す効果
フラット6時の位置から12時方向(真上)へ叩くスピード最速だが、物理的に高さを出すと入らない
スライス9時から3時方向(真横)へ切り裂くバウンド後に低く滑りながら横へ逃げる
スピン7時の位置から1時方向(斜め上)へこすり上げる強烈な縦回転が生まれ、コートで急降下後に跳ねる

💡 身体の開きを止める(Stay Sideways)

「7時から1時」の斜め上への軌道を作るには、インパクトの瞬間までおへそを横(ベースラインと並行)に向け続けることが絶対条件です。身体が前を向いてしまうと、スイングが「ボールの上から下へ」被さってしまい、ネットミスになります。


2. 失敗を決定づける「トス」の絶対位置

📍 スピンがかからない最大の原因はトスにある

フラットサーブと同じように「真っ直ぐ前方」へトスを上げてスピンを打とうとしても、物理的に不可能です。ボールが前にあると、ラケットを下から上へ振り上げるスペースがなくなり、上から下へ叩きつけるしかなくなるからです。

スピンサーブのトスの絶対条件は、「打点の下に体が入り込むこと」です。

❌ 失敗するトス:前すぎ・右すぎ

  • • 頭の後ろにラケットを通す空間がない
  • • ボールの上を叩いてしまい、必ずネットミスになる
  • • 強引に回転をかけようとすると手首を痛める

✅ 正解のトス:頭の真上〜やや左後ろ

  • • トスしたボールが「背中の肩甲骨」辺りに落ちてくる位置
  • • 身体の反り(弓のポーズ)が作りやすい
  • • ボールの「下側」から確実に振り上げられる

3. 回転量を爆発させる「膝のバネ」

🦵 パワーの源は腕ではなく「下半身」

強烈に跳ねるスピンサーブは、決して腕の筋力だけで打っているわけではありません。重いボールを真上へこすり上げるエネルギーは、「膝の屈伸」から生まれます。

トスを上げた後、膝を深く曲げてパワーをため(ローディング)、インパクトに向けて一気に爆発的にジャンプしながら上方へ伸び上がります。この「縦へのエネルギー」が、ラケットの極端な縦スイングを可能にします。

🔗 運動連鎖(キネティック・チェーン)

【地面を強く蹴る】 → 【膝が伸びる】 → 【腰・胸・背中の反りが戻る】 → 【肩が回る】 → 【肘が前に出る】 → 【最後に手首が一気に走る】
※下から上へのエネルギー伝達が、回転量アップの鍵です。


4. 魔法の仕上げ「プロネーション」

🔄 手首の内旋(プロネーション)

スピンサーブの最後のキモが、プロネーション(前腕部の回内・手首の内旋動作)です。

ラケットがボールの「7時」を捉えた後、腕を力ずくで振り下ろすのではなく、空中で手首をクルッと内側(外側に向いていた手のひらを自分側に向ける動作)に回すことで、ボールを激しくこすり上げます。

🏋️ プロネーションの感覚を掴む練習ドリル

① ドアノブ回し(シャドースイング)

ラケットを持たず、高い位置にあるドアノブをガチャリと内側に回す動きを繰り返します。

② 膝つきフェンス越えサーブ

コートに膝をついた状態でサーブを打ちます。下半身が使えないため、高さを出すには腕のプロネーションだけでボールを真上に振り上げる感覚が強制的に身につきます。


AI解析で「回転と軌道」を可視化する

🌀 スイング軌道のズレ検出

  • ・AIがあなたのスイング軌道を「7時から1時」なのか、あるいはフラット気味になっているのかを3次元で可視化して判定します。
  • ・身体が早く前(正面)を向いてしまう「開き」の癖も、骨格ラインで瞬時に指摘されます。

🔄 トス位置とインパクト角度

  • ・トスが「頭の真上」にきちんと上がっているか、前側にズレているかをピクセル単位で表示。
  • ・インパクト瞬間のラケットの打角を推定し、最適なスピン量(rpm)が出やすいフォームか数値評価します。

スピンサーブに関するFAQ(よくある質問)

Q

スピンサーブがどうしてもネットにかかってしまいます。

原因の9割は「トスが前すぎる」ことです。ボールの下にラケットが入る空間がないため、上から叩きつけてしまっています。また、目線を早く下げてしまう(顎が上がるのが早い)こともネットミスの原因になります。インパクト後もしばらく空を見る意識を持ちましょう。
Q

回転はかかっているようですが、ボールが飛びません(全く跳ねません)。

ボールの横(スライス気味)を擦ってしまっているか、下半身(膝の屈伸)のパワーを使えず腕の力だけで撫でている可能性があります。ボールの後ろや横ではなく、しっかり「下側(7時)」から振り上げ、ジャンプのエネルギーをラケットに伝えることを意識してください。
Q

強引に練習していたら肩や手首が痛くなりました。

間違ったフォーム(特に「体の開きが早すぎる」状態で真後ろにラケットを引く動作)や、グリップの握りが厚すぎると関節に過度な負担がかかります。グリップは必ずコンチネンタル(包丁持ち)にし、下半身のパワーを使うことで腕を脱力させてください。

まとめ:高さを出し、自信を持って振り抜く

恐怖心を捨て、ネットの高い空間を狙え

  1. 1. トスの位置:背中側に落とすような「頭の真上〜やや左後ろ」が絶対。
  2. 2. スイング軌道:身体を横に向けたまま、「7時から1時」方向へ斜め上に振り抜く。
  3. 3. 膝のバネ:ローディングから爆発的なジャンプへの縦のエネルギーを作る。
  4. 4. プロネーション:スイングの最後に手首を内回しに返し、回転で急降下させる。

📅 最終更新: 2026年2月 | 本記事の内容は最新のスポーツ力学やAI解析の知見を取り入れ、定期的に見直されています。

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