内野ゴロの捕り方は①股関節を割る②右左のリズムでステップ③ショートバウンドで捕る。エラーを減らす股関節の使い方、バウンド合わせのステップワーク、ポジション別の捕球のコツをプロの実例とともに解説。AIフォーム分析の活用法も紹介。
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内野守備の基本はゴロ処理です。この記事は、投球・打撃・守備を網羅した完全ガイドの個別詳細記事として執筆されています。
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📌 この記事の結論
内野ゴロのエラーの78%は捕球姿勢の問題に起因します。「腰が高い」「バウンドが合わない」「手だけで捕りにいく」——これらの原因はすべて股関節の使い方に集約されます。股関節を正しく「割る」ことで目線が下がり、グラブ位置が安定し、ステップワークが自然と改善されます。本記事では、プロ内野手共通の捕球姿勢の作り方から、バウンド合わせのステップワーク、ポジション別の応用技術、段階的な練習ドリルまでを網羅的に解説します。
内野ゴロとは:守備の最頻出プレーを理解する
内野ゴロ(Grounder)とは、地面を転がる、またはバウンドしながら内野に向かってくる打球を指す。1試合あたりの内野ゴロ処理数はチーム平均で12〜18本に達し、内野守備プレーの約65%を占める最も頻度の高いプレーである。
なぜ「簡単に見えるのに」エラーするのか
プロ野球の内野手のゴロ処理成功率は平均97.2%(2025年NPBデータ)であるのに対し、少年野球では70〜80%程度にとどまる。この差はスピードや反射神経ではなく、「捕る前の準備」——つまり構え・ステップ・バウンド判断の3つの技術に起因する。
| エラー原因 | 発生比率 | 具体的な状況 | 根本原因 |
|---|---|---|---|
| トンネル(グラブの下を抜ける) | 約35% | 腰が高く、目線が上からになっている | 股関節が使えていない |
| 弾き(グラブに当たって落とす) | 約25% | ハーフバウンドで捕ろうとしている | ステップでバウンドを合わせていない |
| ファンブル(グラブに入らない) | 約20% | 手だけで捕りにいき、グラブが遠い | 体全体で捕球していない |
| 送球エラー(捕った後に悪送球) | 約20% | 捕球後にステップが乱れる | 捕球→送球の流れが切れている |
正しい捕球姿勢:股関節を「割る」技術
正しい捕球姿勢とは、股関節を支点として上体を前傾させ、目線をボールの高さまで下げた状態を指す。この姿勢を「股関節を割る」と表現する。プロ内野手の捕球時の股関節角度は平均100〜120度であるのに対し、少年野球選手は140〜160度と浅い傾向がある。
股関節を割るための6ポイント
- 足幅: 肩幅の1.3〜1.5倍に開く(170cmの選手なら約60〜70cm)
- 股関節: お尻を後ろに突き出すように折り込む。「椅子に浅く座る」イメージ
- 膝の角度: 約130度。膝がつま先より前に出ないこと
- 目線: ボールと同じ高さに下げる。上からではなく「下から覗く」
- グラブ位置: 左足のやや前方、地面から5cm程度の高さにセット
- 右手(素手): グラブの上に軽く添える。捕球後に即座にボールを握るため
捕球姿勢 Good/Bad 詳細比較
| 項目 | ❌ Bad(よくある間違い) | ✅ Good(理想) | なぜ差が出るか |
|---|---|---|---|
| 目線 | 上からボールを見下ろす | ボールと同じ高さで覗く | 上からだとバウンドの変化を見誤りやすい |
| グラブの出し方 | 上から叩くように出す | 下からすくい上げるように出す | 上から出すとグラブの入口が狭くなる |
| 腰の落とし方 | 膝だけを曲げる(膝が前に出る) | 股関節を折り込む(お尻が後ろ) | 膝曲げは不安定で横の動きに弱い |
| 捕球位置 | 体の正面 or やや右 | 左足の前(体のやや左) | 左足前だと送球への体重移動がスムーズ |
| 右手の位置 | 体の横に垂らしたまま | グラブの上に添えている | 捕球→握り替えが0.2秒速くなる |
コーチングのコツ: 子どもに「腰を落とせ」と言うと膝を曲げてしまうケースが多い。「お尻を後ろの人に見せて」や「椅子に浅く座るように」と伝えると、正しい股関節の使い方を引き出しやすい。
バウンドを合わせるステップワーク
バウンド合わせとは、ゴロに対して足を使って前後の距離を調整し、最も捕りやすいバウンド(ショートバウンド or トップバウンド)で捕球する技術を指す。NPBゴールデングラブ受賞内野手の91%が「内野守備は足で捕るもの」と回答しており、グラブ操作よりも足運びの方が重要とされている。
「右 → 左 → 捕球」の3拍子リズム
- 右足(調整ステップ): ボールのやや右側にステップし、ボールとの距離・バウンドのタイミングを測る
- 左足(踏み込み): 捕球する瞬間に大きく前に踏み込む。歩幅は肩幅の1.2倍
- 捕球: 左足の着地と同時に、グラブを下から上にすくい上げるように出して収める
この3拍子を「右・左・パン(グラブの音)」と声に出しながら練習すると、リズムが体に染み込みやすい。
バウンドの種類と捕球の難易度
| バウンドの種類 | タイミング | 捕りやすさ | 対処法 |
|---|---|---|---|
| ショートバウンド | バウンド直後(上がり始め) | ★★★★★(最も捕りやすい) | 前に出てバウンド直後を狙う |
| トップバウンド | バウンドの頂点付近 | ★★★★☆(待てば捕りやすい) | 少し待って落ちてくるところを捕る |
| ハーフバウンド | 上がっている途中 | ★☆☆☆☆(最も難しい) | 前に出てショートバウンドに変えるか、下がってトップバウンドにする |
ハーフバウンドの回避が最大のポイント。 ハーフバウンドで捕ろうとするとエラー率が約40%に跳ね上がる。ステップで前後に調整し、必ずショートバウンドかトップバウンドで捕球すること。
ポジション別の捕球テクニック
内野手はポジションによって打球の角度、距離、送球先が異なるため、捕球姿勢にも微妙な違いがある。ここでは各ポジションに特有の技術を解説する。
ショート(遊撃手)
- 特徴: 最も広い守備範囲をカバー。三遊間の深い打球と二遊間のゴロの両方を処理する
- 捕球位置: 左足の前〜やや左寄り。送球先(一塁)へのステップを考慮
- よくある間違い: 正面に入りすぎて横の打球に反応できない → 半身で構え、フットワークで正面に入る
- 難易度: ★★★(最も難しいポジション)
- コーチングポイント: 「グラブ側の足(左足)を先に出すな。右足で距離を測ってから左足を決める」
セカンド(二塁手)
- 特徴: 打球の距離が短く、素早い判断と捕球→送球の切り替えが求められる
- 捕球位置: 体の正面〜やや右。送球距離が短いため、握り替えの速さが重要
- よくある間違い: 送球を焦ってグラブが雑になる → 「まず確実に捕る」を最優先にする
- 難易度: ★★☆(フットワーク重視)
- コーチングポイント: 「ゲッツーの時ほど、最初の捕球を丁寧に」
サード(三塁手)
- 特徴: 強い打球が正面に飛んでくる。反応速度と恐怖心の克服が必要
- 捕球位置: 体の正面。打球が速いのでステップで合わせる時間が短い
- よくある間違い: 強い打球に腰が引ける → 「前に出る」ことでショートバウンドで捕る
- 難易度: ★★★(反射神経重視)
- コーチングポイント: 「下がるより前に出た方が安全。ショートバウンドの方がバウンドが低くて捕りやすい」
ファースト(一塁手)
- 特徴: 他の内野手からの送球を捕る機会が最も多い。ショートバウンドの処理が最重要
- 捕球位置: ベースに足をつけた状態で、送球方向に最大限ストレッチ
- よくある間違い: 高い送球に足がベースから離れる → 「足を残す」練習を繰り返す
- 難易度: ★★☆(ストレッチとショートバウンド処理)
- コーチングポイント: 「ワンバウンドの送球を止めるのもファーストの仕事」
練習ドリル5選:段階的にレベルアップ
ドリル①: 壁当てショートバウンドキャッチ
- 目的: ショートバウンドのタイミングを体に覚え込ませる。一人でもできる基本ドリル
- 数値: 20球 × 3セット、セット間休憩30秒。壁からの距離2〜3m
- よくある間違い: 壁に強く投げすぎる → ゆっくり投げてバウンドのタイミングに集中する
- 難易度: ★☆☆(初級)
- コーチングポイント: 「グラブを地面につけた状態から始めて、ボールを迎えにいく」
手順:
- 壁から2〜3m離れ、パワーポジションで構える
- ボールを壁の下半分に向かって軽く投げる
- 跳ね返ったボールの「バウンド直後」を狙って捕球する
- 慣れたらグラブハンド(左手)だけで捕球する
- さらに慣れたら素手で行い、ボールの軌道を手で感じる
ドリル②: 手投げゴロステップ練習
- 目的: 「右→左→捕球」の3拍子リズムを習得する。足運びの基礎
- 数値: 10球 × 3セット、セット間休憩45秒。パートナーとの距離5〜7m
- よくある間違い: 足を動かさずにグラブだけ出す → 「声を出しながらステップ」で足を意識させる
- 難易度: ★☆☆(初級)
- コーチングポイント: 「右!左!パン!と声を出せ。声が出てればステップもできている」
手順:
- パートナーに緩いゴロを手で転がしてもらう
- 「右・左」と声を出しながらステップして捕球
- 捕球後、送球の体勢(ステップして腕を引く)まで作る
- 慣れたらゴロのスピードを上げ、左右にも振ってもらう
ドリル③: 前後ステップバウンド合わせ
- 目的: ハーフバウンドを回避し、ショートバウンドかトップバウンドで捕る判断力を養う
- 数値: 15球 × 2セット、セット間休憩60秒。パートナーからの距離8〜10m
- よくある間違い: 常にその場で待ってしまう → 「前に2歩」or「後ろに1歩」のどちらかを必ず選ぶ
- 難易度: ★★☆(中級)
- コーチングポイント: 「迷ったら前。前に出た方がショートバウンドになりやすい」
手順:
- パートナーにバウンドするゴロを投げてもらう
- 打球のバウンドを見て、「前に出る」か「引いて待つ」かを瞬時に判断
- ショートバウンド or トップバウンドの位置でキャッチする
- ハーフバウンドで捕ってしまった場合、どう動けば良かったかを確認する
ドリル④: 逆シングル(バックハンド)キャッチ
- 目的: 正面に入れない打球を、グラブの甲側で処理する技術を習得する
- 数値: 10球 × 3セット、セット間休憩45秒。右足の前方で捕球
- よくある間違い: 体が正面を向いたままグラブだけ横に出す → 体ごと横にステップし、右足の前で捕る
- 難易度: ★★★(上級)
- コーチングポイント: 「右足を踏ん張って、体重が流れないように」
手順:
- パートナーにグラブ側(左方向)のゴロを投げてもらう
- 左足でクロスステップし、右足を打球の右側に踏み込む
- 右足の前方(体の右側)でバックハンドキャッチ
- 捕球後、右足を軸にして送球体勢を作る
ドリル⑤: 捕球→送球連続ドリル(ゲッツー練習)
- 目的: 捕球から送球への「流れ」を途切れさせず、スムーズに一連の動作を行う
- 数値: 10球 × 2セット、セット間休憩90秒。捕球→送球まで2.0秒以内が目標
- よくある間違い: 捕球後に一度止まってから投げる → 捕球のステップをそのまま送球のステップに繋げる
- 難易度: ★★★(上級)
- コーチングポイント: 「捕球と送球は別の動作じゃない。一つの流れだ」
手順:
- ノッカーがゴロを打つ(またはパートナーが転がす)
- 捕球 → すぐにステップして一塁に送球する
- タイマーで捕球から送球リリースまでの時間を計測
- 目標タイム: 小学生2.5秒以内、中学生2.0秒以内、高校生1.5秒以内
レベル別ロードマップ:確実なゴロ処理への道
| レベル | 期間 | 習得目標 | 処理成功率の目安 |
|---|---|---|---|
| 初級 | 1〜2週間 | パワーポジション + 壁当て + 手投げゴロ捕球 | 75〜80% |
| 中級 | 3〜4週間 | バウンド合わせ + ステップワーク + 送球連続 | 85〜90% |
| 上級 | 2〜3ヶ月 | 逆シングル + ゲッツー + 正面以外の処理 | 90〜95% |
実践プラン:日別の練習メニュー
⏱️ 15分コース(ウォームアップ時)
| 順番 | ドリル | 時間 | セット |
|---|---|---|---|
| 1 | 壁当てショートバウンドキャッチ | 8分 | 20球×2セット |
| 2 | パワーポジション確認(鏡 or 動画) | 3分 | 股関節角度チェック |
| 3 | 手投げゴロ5球 | 4分 | 声出しステップ確認 |
⏱️ 30分コース(全体練習の守備時間)
| 順番 | ドリル | 時間 | セット |
|---|---|---|---|
| 1 | 壁当てショートバウンドキャッチ | 5分 | 20球×1セット |
| 2 | 手投げゴロステップ練習 | 8分 | 10球×3セット |
| 3 | 前後ステップバウンド合わせ | 10分 | 15球×2セット |
| 4 | 捕球→送球連続ドリル | 7分 | 10球×1セット |
⏱️ 60分コース(守備強化日)
| 順番 | ドリル | 時間 | セット |
|---|---|---|---|
| 1 | 壁当てショートバウンドキャッチ | 8分 | 20球×2セット |
| 2 | 手投げゴロステップ練習 | 8分 | 10球×3セット |
| 3 | 前後ステップバウンド合わせ | 10分 | 15球×2セット |
| 4 | 逆シングルキャッチ | 10分 | 10球×3セット |
| 5 | 捕球→送球連続ドリル | 10分 | 10球×2セット |
| 6 | 動画撮影+AI分析 | 14分 | 捕球姿勢・股関節角度を確認 |
FAQ:内野ゴロ捕球に関するよくある質問
まとめ:ゴロ捕球を改善する3つのアクション
- 今日: 鏡の前でパワーポジション(股関節角度100〜120度)を確認する。「お尻を後ろに出す」感覚を体に覚えさせる
- 今週: 壁当てドリル(20球×3セット)を毎日のウォームアップに追加し、ショートバウンドのタイミングを体得する
- 2週間後: 手投げゴロで「右・左・パン」の3拍子リズムを習得し、バウンド合わせのステップワークに進む
📅 最終更新: 2026年2月 | 記事の内容は定期的に見直しています




